ビリビク。 原作で仲良しなふたりが大変かわいいんです。一緒に卓球するし、シャザムくんは「俺のダチ」とか言っちゃうし、気づいたらふたり並んでるし…。シャザムくんの前だと年相応の幼さや本来の明るさを見せるビクター。 ちなみにOVA「JL:WAR」のふたりも大変尊いので是非。

姿を見ると嬉しくて駆け寄りたくなる。ふとした瞬間に声が聞きたくなる。一緒にいるだけで楽しくて、時間を忘れてしまう。見つめられるとドキドキする。  これは絶対に恋だ。

今日は星がよく見えますよ、というアナウンサーの予報は本当だった。どれかひとつくらい持って帰れそうなくらい、星が近くにある。こんな星空の下で、大好きなビクと一緒にいるのに、パトロールをしなきゃならないなんて。ビクはさっきから難しい顔で街を見渡している。ずっと下ばかり向いて、星なんて見ようともしない。つまらない。  こっちを見てくれないかな。 「ビークー」  我慢できなくなって名前を呼ぶ。 「なんだ」 「休憩しようぜ」  やっとこっちを向いたビクは、すごくめんどくさいって顔をしてる。 「だめだ」 「なんで!? 折角のデートなのに!」 「馬鹿を言うな。仕事だ、仕事」  確かにそうだけど、ふたりきりになれたときはすごくドキドキしたし、嬉しかった。何を話そうかずっと考えていた。ビクはそうじゃないのかな。  俺の好きなひとは大きく溜息をついたけど、置いていくようなことは絶対しない。無理に引っ張っていくことも。やっぱり優しい。大好きだ。 「なあ、キスして」 「は?」  にっこり笑って自分の唇を指す。 「キスしたら、もっと頑張れるかも」  ビクはじっとこっちを見つめた。やっぱり駄目かな。自分で言っておいて、緊張してしまう。  ふわっとビクの匂いが濃くなった。おでこがひんやりと冷たい。キスされたんだ。 「続きは大人になってからな」  あと10分したら休憩しよう。そう言ってビクはどんどん先へ飛んで行ってしまった。慌てて銀色の背中を追いかける。  どうしよう。にやけて過ぎて口の端が痛い。  今なら10分どころか、一晩中でも飛べそうだ。