マカジャマキス話。
「キスしたいから屈んで?」 そう言って笑う男を見ていると、ジャーマンの腹の中に悪戯心が湧いてくる。 「もっと必死にねだってみせたら考えてもいい」 男は意外そうに目を目を丸くした。 「へえ、キスしたくないんだ」 彼は唇に人差し指を当て、何やら考える素振りをする。 「本当に?」 男の手が、ジャーマンの胸に触れる。 「本当にいいんだ?」 白く、長い指が、徐々に体の下へと移動する。 「触る、な」 「なぜ?」 ジャーマンは忌々しげに舌打ちすると、男の髪を掴み、無理矢理上を向かせ、荒々しく口づけする。 「んっ!」 滴る唾液も気にせず、舌を入れ、夢中で口内を貪る。男の体から力が抜けた。 「ずるいなあ」 息を整えながら、男は笑った。 「君のほうが身長が高いんだから」 「だから?」 「俺からキスできないのはずるい」 男はジャーマンの頭を引き寄せ、ベッドに行こうかと囁く。 結局、何もかも彼の思いどおりになるのだから、ずるいのはどっちだと思う。